二、大和ん郷の餃子は、いと美味且つ安全なり・・・の巻

此の草紙、初の食膳隠密行なり。
近時、唐の國の餃子なるもの、毒の術を掛けしとの由。されど我が郷に於いては、斯様な事、罷りならじ。而して至極全うなる仕業の町人「ぎょうざ屋 大和店」を密偵す。あな平凡なる名たるも、暖簾に小さき「悟朗ちゃん」なる屋号発見せり。
拙者「水餃子膳(セット)」註文せり。伍佰八十両なり。餃子十包、飯椀、香の物に、果物まで含みて此の御代、いと安し。昼膳のみの御代にあらず。夕膳主膳にても同じき御代。果物含みて伍百八十。重ねて申す。あな安し。
若き主と女房にて店を構えし模様。良き女房なりか、おなごらしき心遣い、店の隅々にあり。
特に膳毎に柚子胡椒が小分けして配膳するが如し、拙者、感服す。
濃厚なれど淡白、淡白なれど深き趣き・・・得も言はれぬ味わいなり。おなご連にも良き哉。
唐の國の為す風評に、我ら惑わされてはならじ。此の主と女房に於いては一層の精進を重ねられんこと、陰ながらお祈り申し上げ奉り候。

奉書骨子　
「ぎょうざ屋大和店」佐賀市大和町大字尼寺1522-4
　営業時間11：00〜20：00　火曜定休

一、あな佐賀らしき珍なるものにて、草紙を始めん・・・の巻

拙者、昨秋に佐賀の郷に初見参せり。 その折りに見つけたるものに、いと感服す。 さすがは、出島与り南蛮渡来の白糖を運びし街道の栄の國、 日の本一の菓子問屋江崎屋の主人の出生したる処なり。 あな恐ろしき哉、浮遊せんとす 巨大なる黒船の如き熱気球なるもの、 また、それに乗れり赤毛人やらも一同に会せし陣あり。 此の僅かな間のみ建立されしか。まさに大阪城下軟派戎橋の幟板の模倣なり。 夢幻の如き、今はなし。